ひつじの野望-創作編-

これは、まだ実家に居た頃の話です。
確か、中学生の頃だったかな。

当時犬を飼ってたので、散歩が私の役目でした。
大型犬から小型まで、5種6匹いたので、順番に散歩させて行くので、
終わるのは、結構な時間になったものです。
毎日、大型の犬が最後になるので、時間は23時頃だったかな。
実家の前の道を挟んで、小高い山があり、その中腹から頂上がお寺で、
墓所になってる、そんな感じの場所でした。
毎日、墓の前を通るのが、何となく嫌な感じなんですよ、数個ならば、通過すれば、
安心な気分になれるんですけど、山の中腹からこっち見てる感じがして、
離れても何かこー見られてる？そんな感じなんです。

で、いつも通り墓所前を通過して、何気なく振り返ったら、
ロケット花火が上がる時の「ヒューーー」って音が聞こえたんです、
目線は自然と、上空へ行きますが無い。
あれぇ？と思いつつ、キョロキョロしてたら、またも「ヒューーー」と聴こえた。
音を目で追うと、墓の並ぶ頂上の辺りから、花火が上がってた。
でもね、普通打ち上げ花火だったら、上空で花火の名前の如く、
花開くじゃないですか、それはね、塊が上がっていって、頂点で消えちゃうんです、
開くでもなく、霧散してしまう。
何だアレは？と思ってると、またも打ちあがる音がする。
その後３発まで数えてたけど、飽きたので、散歩に向かったのですが、
犬に引かれながら、何となく考えた。
普通は、夜中も間近で、墓場で打ち上げ花火をする奴はいないよなーと。
それに、そこの住職は、うるさい人なので、夕方に門を閉めたら他に入口は無い訳で。
忍び込んでそんな事しなくても、他に花火するに適してる場所は、多々あるので、
そんなバカはいない・・・・はず。

でも、そこは、思考がお子様「花火か」それで済んだ。

帰ってから、何となく、親に話せば、
「そりゃ、お前人魂じゃないのか？」と、あっさり言われました。
時期も、夏でお盆だったから、見えたモノなのかなーと、今更ながらに思います。

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